こんにちは、当ブログ管理人で二級建築士のトミーです。
これから二級建築士の受験勉強を始めようという方が、まず取り掛かるのが学科試験対策です。
皆さんご存知の通り、二級建築士の試験は、学科を試験をパスしないと製図試験を受けることはできません。
二級建築士試験の学習を始めるにあたり、先ずはテキストと問題集を用意し学科試験対策から始める必要があります。
そもそも独学で行くか、資格学校に行くかを悩む方もいるかもしれませんが、二級建築士は独学でも十分に受かります!受かった私が言うのだから・・・・・
今回は、そんな私が二級建築士を一発合格した際の学科試験対策学習法を紹介します。
【二級建築士】学科試験は独学でパスできる?
二級建築士試験は、受験資格がありますので、学科試験に対する知識面では、受験者全員が全くの素人ではありません。
私は学校卒業後20年以上経ってからの受験でしたので、基礎学習の面では不利だったかもしれません。
若い方とは違い、実務で建築に触れる機会と+20年超の人生経験が役に立った部分はあるかも?
・・・と、少し話が逸れましたが、実際に若い方であれば大学で、社会人の方であれば実務での経過が必ず大切な基礎知識になると思います。
学科試験の合格はあくまでも中間点ですが、最終合格を目指すにあたりゴール(合格ライン)を確認しておくことも大切です。
先ずは、学科試験の合格率を見てみましょう。
学科試験の合格率
実受験者数 | 学科合格率 | |
合格者数 | ||
令和元年 | 19,389人 | 42.0% |
8,143人 | ||
令和2年 | 18,258人 | 41.4% |
7,565人 | ||
令和3年 | 19,596人 | 41.9% |
8,219人 | ||
令和4年 | 18,893人 | 42.8% |
8,088人 | ||
令和5年 | 17,805人 | 35.0% |
6,227人 | ||
令和6年 | 17,602人 | 39.1% |
6,883人 |
毎年、40%前後の人が学科試験を合格しています。
この数字は多いのか、少ないのか・・・
例えば、行政書士の合格率は10%前後、宅建士であれば15〜18%程度と言われていますが、これらは受験資格がなく誰でも受けられる試験です。
試験の形式が異なる部分もあるので単純な比較には無理があるかもしれませんが、これらに対して、二級建築士は受験資格があり受験者は全員が学習経験者であることを考えると決して高い合格率とは言えないかもしれません。
やはり、ある程度試験に向けた学習は必要であると言えると思います。
年齢別を見ると・・・
もう一つ、合格率とは別ですが、二級建築士の試験の合格者の年代も見てみましょう。
年齢区分 | 構成比 |
24歳以下 | 61.8% |
25~29歳 | 12.9% |
30歳代 | 13.8% |
40歳代 | 8.2% |
50歳以上 | 3.3% |
平均 | 26.9歳 |
これは令和5年のデータですが、私が実際に受験した時の受験者の年齢を見ると試験会場では明らかに20歳代と思われる方が圧倒的に多く、年齢別の合格率を見ても間違いはありません。
ただ、受験資格に年齢の上限はありませんので、30歳代はもちろんそれ以上でも平等に受験機会はあります。
ちなみに、私は46歳の時に合格しています。40・50歳代での合格者は10%以上もいるので、若い方はもちろん私と同世代の方もぜひ頑張っていきたいところですね。
【二級建築士】学科試験|択一対策勉強法
二級建築士の試験は4科目に分かれていて、全体で6割以上を取る必要がります。
ただ、もう一つのハードルとして、科目毎それぞれに基準点をクリアする必要があります。
続いて、そのために必要な試験対策として私が行ったインプット、アウトプットについて紹介していきます。
テキストと問題集選び
テキスト選びについては、別記事でも紹介していますが、必ず「最後まで読み切れるもの」を選ぶようにしましょう。
どれだけ優れたテキストや問題集を用意しても最後まで、そして繰り返し読むことができなければ意味がありません。
私が使用したテキストは「スタンダード 二級建築士(建築資格試験研究会 編著/学芸出版社)」でした。
そして問題集も繰り返し解くことになります。
問題集は、何冊も用意するのではなく一冊を繰り返し解くようにしましょう。
私が使用した問題集は「2級建築士 試験学科 厳選問題集500+100(資格総合学院)」になります。
テキストと問題集を選ぶときのポイントを簡単にまとめてみます。
テキスト選び
①内容が細か過ぎず、最後まで読み切れること
②ボリュームが大き過ぎないこと
③コンパクトで持ち運びやすいこと
問題集選び
①分野別であること
②問題を解く時に解答、解説が見えないこと
③複数回、回せる分量であること

ここまででテキスト、問題集が用意できました。
続いて、これらをどのように使っていくか紹介していきます。
インプットとアウトプットの繰り返し
先ずは「インプット」です。
重要なのはアウトプットですが、そのためにはインプットも必要です。
そして、この「インプット」と「アウトプット」を繰り返していくことになります。
①テキストをひと通り読む
②問題集を単元毎に解く
③解説と合わせてテキストの該当箇所をチェック
④問題集一単元完了後、該当するテキスト部分を一読する
基本的には、この手順の②から④を繰り返していくことになります。
続いて、それぞれを詳しく説明していきます。
①テキストをひと通り読む
特別なことはありません。ただ読むだけです。
ただし、注意が必要です。
特に初めて読む場合、時間をかけ過ぎないことが重要です。
(私は元々本を読むのが遅いので、特に注意していた部分になります。)
気になる部分があればチェックをする程度で、深追いして詳しく調べたりしないことです。
読み進めるうちに理解できることもあれば、次のステップで分かることもありますので、まずはひと通り大きな流れを掴むことが大事です。
流れを掴むという点では「目次」に目を通すことも良いでしょう。
大事なのは、あくまでもサラッとです。
②問題集を単元毎に解く
ひと通りインプットが完了したら次は問題を解く、つまりアウトプットです。
問題集は、はじめから順番に解いていくことになりますが、①テキストの通読と違い、「単元毎」に進めます。
ここで「単元毎」としているのは、同系統の問題を繰り返し解くことで知識を定着させる目的があります。
例えば「学科Ⅰ 計画」であれば、「都市計画・マネジメント」「住居施設」「学校教育施設・社会教育施設」・・・・というように問題集の区切りごとに解いていくようにしていました。
こうすることで、先の④にも繋がりますが、同一分野の問題、解説とテキストの通読を繰り返し、頻出の重要な用語などを短いスパンで集中的に目にすることで、記憶に定着し易くしています。
好きなドラマや映画は、何回も繰り返し見ているうちに「セリフ」まで覚えてしまうとか、好きな歌をくり返し聞くうちに「歌詞」を覚えてしまうのと同じですね。
③解説と合わせてテキストの該当箇所をチェック
問題を解いた後、答え合わせをして解説を読む・・・までは当たり前です。
解説を読んでも理解ができない場合は、テキストを確認すると思います。
しかし、仮に解説を読んである程度理解できたとしても、テキストを確認するようにしてください。
これは、問題に記載された内容だけでなくそれに関連する事項、特に過去に問われた内容に関連する事項を確認するためです。
関連する項目に目を通すことで知識が広がり、深めることができます。
また、「該当箇所のチェック」という点ですが、この方法は問題文やその解説文の該当箇所に1度目はラインを引く程度です。
2回目以降は、その部分を囲ったり、少しずつ色を濃くしていきます。繰り返し出てくる部分は、次第に強調されていきますので、再度テキストを読み返す際に繰り返し過去に問われた部分がひと目で分かるようになります。
そして、この時に合わせて行っておきたいのは、テキストに載っていない解説文で重要と思われる部分をテキストに書き込んでいくことです。
テキストは内容を絞ったコンパクトなものを選んでいますので、問題集の解説と同じ内容が記載されていない事項がいくつか出てくるとお思います。その全てを書き写す必要はありませんが、「重要」つまり「繰り返し」出てくるようなもから順番に書き写しておくと良いでしょう。
ここで、「だったら、最初から書いてあるテキストを選べば・・・」を思われる方もいるかも知れませんが、そもそも「繰り返し読める」コンパクトなものを選ぶことが第一条件で、全ての解説が網羅されたテキストは、私の中ではもはや「辞書」であり、テキストを読む時間が沢山ある方は良いですが、限られた時間で勉強するためには「必要最低限」が大事です。
また、実際いに解説を読むだけでなく「手を動かして書く」というのも知識の定着という点においては有効です。
④問題集一単元完了後、該当するテキスト部分を一読する
②の一つの単元が終了したら、③でチェックしたテキストを、②で解いた単元の範囲で通読します。
ここでは、③でチェックした項目が生きてきます。
2回目、3回目になれば当然問題で繰り返し問われている部分は、チェックで強調されていますので目に付きやすく知識への定着を助けてくれます。
また、2回目、3回目になれば①では触れなかった「深追い」を少ししてみます。
あくまでも「少し」です。正しい表現かどうかは分かりませんが「深追い」ではなく「浅追い」くらいです。
「関連する項目が別の単元にあったなと」か、「別の解説に載っていたな」という部分をメモしたり、何度読んでも理解、記憶できない部分をネットなどでチョット調べ、補足の知識を書き込むくらいはしても良いかもしれません。
あくまでも「浅追い」です。{深追い」をしてしまうと、時間だけが過ぎて、試験とは関係のない得点につながらない部分に入り込んでしまうことが多々ありますので、くれぐれも注意してください。
目指すのは、満点ではなく、合格点なので。
そして、②から④を繰り返す
大雑把な目安ですが、繰り返しは少なくとも3回、苦手な問題では5回位できると良いです。得意な科目、分野や好きな問題は1回で正解できるでしょう。逆に苦手な問題は5回解いても間違えます。
ただ、ここで大事なのは100%を目指さないことです。1回で正解した問題も2回か3回は解いたほうが良いでしょう。
1回目がたまたま・・・ということもありますし、2、3回解くことで曖昧な知識の定着や勘違いでの間違いがおこる自分のクセなどにも気付くことがあるかもしれません。
本試験は「初見の問題」を解くことになるので、問題集を解く際は必ず「考える」。
これが大切です。
時々、「いきなり問題を見てもわからなければ解説を・・・」と耳にしますが、これはもったいないと思います。
手元にある問題集を「初見」で解けるのは最初の1回だけだからです。
貴重な体験を不意にしてはいけません。
1問に20分も30分も掛けてはいけませんが、ひと通りテキストは読んでいるので、その知識を使い、1度は各選択肢の正誤を考えるようにしてください。
そうすることでどの部分の知識が不足しているのか、理解できていないかが見えてきます。
まとめ
資格試験の勉強で大事なのは「インプット」と「アウトプット」の繰り返しということがご理解いただけたでしょうか。
回数で言えば「3〜5回」とは書きましたが、これはあくまでも目安です。
実際に「何回繰り返せば良いのですか?」と聞かれることがありますが、正直「人それぞれ」です。
私は記憶に自信がないので、4回、5回繰り返しました。そしてそれでも正解できない問題もいくつもありました。
ただ、間違いなく言えるのは・・・・・「合格するまで」繰り返せば良いのです。
これも繰り返しになりますが、目指すのは「満点」ではありません。「合格できる点数」が取れればよいのです。
そのためには、拘り過ぎず(深追いしない)、程よい諦めを持ちながら「繰り返す」ことだと思います。
やや、精神論にも聞こえますが、諦めずに最後まで続けた人が「合格」を手にできるのだと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
少しでも皆様の助けになれば幸いです。