こんにちは、当グログの管理人のトミーです。
今回は行政書士試験で最も出題数の多い5肢択一問題の対策について、合格を勝ち取った私の学習法を紹介したいと思います。
資格試験の択一対策といえば過去問潰しが鉄板です。
ただ、繰り返し解くだけのようにも思いますが、そのやり方は人それぞれだと思います。
同じテキストや問題集を使っていても合格する人とそうでない人の差はどこにあるのか?
もし今学習方法に不安を抱えている方、迷っている方は、実際に合格した私の学習法と今のご自身の学習方法を比較してみてください。
また、これから始める方は「こんな方法もあるんだ」と、参考にしていただければ幸いです。
【行政書士試験】5肢択一問題のウエイト
先ずは、行政書士試験において、5肢択一式がどれくらいのウエイトを占めているか確認しましょう。
R4年度行政書士試験の配点
試験科目 | 出 題 形 式 | 出題数 | 配 点 | |
法 令 等 | 択 一 式 | 5肢択一式 | 40 | 160 |
多肢選択式 | 3 | 24 | ||
記 述 式 | 3 | 60 | ||
計 | 46 | 244 | ||
一般知識等 | 択 一 式 | 5肢択一式 | 14 | 56 |
合 計 | 60 | 300 |
「法令等」の5肢択一式で40問、160点。
全体の53.3%になります。
「一般知識等」で14問、56点。
合計すると216点で全体の72%にもなります。
そして、5肢択一式を含む法令等科目で合格基準点(足切り)をクリアしないと合格することはできません。
R4年合格基準点
- 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者
- 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上である者
- 試験全体の得点が、180点以上である者
法令等科目の配点合計は244点なので、合格基準点の122点はその50%以上の正解が必要になります。
法令等科目の5肢択一式の配点は160点なので、その77%を取ることができればその時点で足切りはクリアです。ただ、70%以上を取ることは簡単ではありません。
しかし、少しでも多く取ることができれば、行政書士試験が難しいと言われる要因である多肢選択式や記述式のウエイトを軽くすることができます。とはいえ、先ずは60%を目指したいところです。
そして私の試験対策は元々60%主義です。
もう一つ忘れてはいけないのは、一般知識等科目の5肢択一式にも足切りがあります。
こちらは、足切りクリアだけであれば43%取れれば良いです。
ただ、正直一般常識の方は対策が難しいので、こちらにはあまり時間を掛けず、少しでも多く法令等科目で得点できるようにしたいところです。
合格基準点の補正的処置や全員配点
行政書士試験は絶対評価制のため、前述の通り合格基準点をクリアした上で全体の60%が採れれば合格となります。
ただ、稀に「試験問題の難易度を評価し、補正的措置を講じ」たり、出題ミスにより「受験者全員配点」が行われたりすることがあります。
私が受験した平成26年度は、新試験制度以降後で初めて「試験問題の難易度を評価し、補正的処置が講じ」られ「法令等科目の得点」が122点以上から「110点以上」に引き下げられました(残念ならがらこの年は合格できませんでした)。
翌年の平成27年度の試験では「出題ミスによる全員配点」があり、4点が配点されました。
そして、その後の平成30年度と令和元年度の試験でもそれぞれ民法と一般知識の出題ミスにより全員配点が行われています。
実際に私は平成27年度の試験に総得点「182点」で合格したので、資格試験は本当に何が起こるか分かりません。
日々の勉強も試験本番も最後まで諦めないことが大事です!
それでは、続いて実際にどのような日々の勉強を重ねてきたか紹介していきます。
【行政書士】テキストの使い方
テキストは市販のものであっても、資格学校のものでも基本的に「使い方」は同じです。
大前提として、どれだけ良いテキスト手にしても最後まで読まなければ意味はありませんし、繰り返し読むことが大事です。
テキストについて
私が使用したテキストは別の記事でも紹介していますが、「フォーサイト」の通信講座のものになります。
行政書士試験受験時は既に宅建士を取得しており、自分は「法学初学者ではない」ので、なんとかなると思っていましたが、実際「行政法」を侮っていたかもしれません・・・・
当初は、市販のテキストを使用(つまり完全独学)していましたが、結果的に最後まで読み込みきれずに中途半端になっていました。
そこで初心に帰り、「内容が適度に絞られたものを繰り返し読む」事ができるものを選びました。
・記載内容が適度に絞り込まれている
・文字が大きめ
・カラーでイラストが多い
この記事で、テキストの詳細を紹介しています
『【行政書士】オススメ講座「フォーサイト」を紹介!|私はこれで合格しました』
を参考にしてください。
繰り返し読み、チェックを入れる
初めて読むときは、ラインなどを引かない
初めてテキストを読むときには、重要箇所と思ってもアンダーラインなどを入れる必要はありません。
テキストの殆どは、重要箇所は太文字や色変えがしてあります。
初めて読む時点では、どこが自身にとって重要な箇所かはわからないので、自己判断で色々とラインを引いてもあまり意味はないです。
本当に重要なのは、繰り返し出題されていて、自分がなかなか覚えられない箇所です。
初めからアンダーラインなどを入れていては本当に大事な箇所が埋もれてしまう可能性がありますので、ラインを引き始めるのは少なくとも2回目以降、もしくは問題集を解いた後に読み返すようになってからで良いです。
もし、初めて読むときからアンダーラインを入れる場合は、マーカーペンを使わずシャープペンなどで、初読の時に入れたことがわかるようにしておくと良いでしょう。
読んだページまたは項目にはチェックを入れる
テキストは、読んだページ毎もしくは項目毎にチェックを入れるようにしましょう。
日付を入れるとより良いです。
そして、このチェックは初めて読むときから書き込んでいくようにしてください。
これは、後々…
当然、自分の苦手な部分は、問題を解いた後に分からない項目を読み返しチェックをしていれば、その項目を見返したのが何回目かひと目でわかります。
そうなれば、見返した際に「自分にとってここは覚えにくい、苦手なんだ」を意識的に見ることもできる様になります。
そして、おそらく試験直前にはテキストにひと通り目を通すことになると思いますが、その時に「これだけ繰り返し読んだのだから大丈夫!」という、根拠のある自信にもなります。
ただ漠然と「頑張った」からではなく、その量が目に見えてわかることは非常に大きいです。
初回は深入りしない
初めてテキストを読む際には、あまり細かい部分にこだわらず、多少分からない部分があっても、あまり突っ込んで調べたりしないようにしましょう。
初めて読む段階ではわからない部分が有って当然で、読み進めていくことで理解ができる部分や、後々過去問の解説を読んで理解できる部分というのは多くあります。
その時点でテキストに書き込み、知識を広げていくようにしましょう。
ライン引きの項目でも書きましたが、初読の段階であまり細かい部分で引っかかってしまうと、大して重要ではない部分に時間を掛けることになりかねません。
ノートは必要?
結論から言うと「不要」です。
テキストを読んでインプットする段階において、ノートを用意して要点などをまとめることは時間の無駄だと思います。
通常、テキストは既に要点をまとめてくれていますし、見返す場合にもテキストとノートの二重チェックが必要になってしまい手間が増えるため、情報源(テキスト)は一元化すべきなのです。
私は、フォーサイトの通信講座を利用しましたが、その場合でも、講義に対するノートは用意しませんでした。
講義で聞いた重要な項目、テキストの補足はすべてテキストに直接書き込むべきです。
これも、前述と同じ理由で、情報の一元化が後々テキストを最も効率的に読み返し、資料とすることができるからです。
【行政書士】問題集の使い方
問題集についても、通信講座を受けたフォーサイトのものを活用しました。
概ね10年分の過去問が掲載されている分量になります。
先ずは解いてみる
分からなくても問題をしっかりと読み自分なりの答えを出す。
「初めて問題集を解くのに、いきなり問題を見ても解けないのなら解説から読もう」と言う事を時々耳にしますが、私はその方法は反対です。
重要なのはアウトプットです。
少なくともひと通りテキストを読んでから取り掛かる過去問題ですから、読んで全くわからないということはないでしょう。
そして、本試験での問題は全てが初見です。過去問集を解くにあたり初見の問題に取り組めるのは一回目の時だけです。その希少な体験を放棄するのは勿体ないです。
ただ、一つ注意点があります。
1問を解くのに掛ける時間を必ず決めてください。
問題を解く時間は、1問あたり5分でも良いです。
①問題を読み、自分なりに答えを出し、その肢を選んだ理由をメモする。
②解答の正誤を確認後、解説を読み自分がその肢を選んだ理由が合っていたかを確認する。
③解説を読み終えたら、テキストの該当する項目の箇所に戻り一読する。
初めて問題集を解く時の流れはこのようになります。
そして、二回目以降は少しこの流れを変えていきます。
問題集は繰り返し解く
当然ではありますが、問題集は何回も解くことになります。
私の場合は2年の勉強で6から12回。
科目や出来不出来にもよりますが、同じ問題集をひたすら繰り返しました。
①問題を解く
②解答を確認し解説を読む
③該当する部分のテキストを読む
詳しく解説していきますので、現在行っているご自身の学習法と比較してみてください。
①問題を解く
1回目は「時間を決めてとにかく読んで自分なりの答えを出す」でしたが、2回目からは問題をしっかりと読み込み、各肢毎に正誤箇所を確認し答えを出ようにします。
このような解き方は少々時間がかかりますので、試験直前期になってきたら、さらに取り組み方を変えていくことになります。
私の場合、試験直前期は4〜5回目のタイミングでした、時間を意識して1問1問を解いていくようにします。
本試験は3時間で60問を解くことになり、単純計算で1問に掛けられる時間は3分になります。
しかし、多肢選択式や記述式、そして見直しの時間も考えると5肢択一式に掛けられる時間は1問2分から2分30秒程度になります。
5肢択一式を平均2分30秒弱で解くには、5肢全てを読まずに答えを出さないといけない場合も出てきます。
この対策としては、1問一答形式の問題集等でなく本試験同様の5肢択一式の問題集で繰り返しトレーニングすることが重要になってきます。
その際に1問あたりの解答時間を意識することが重要になってきます。
②解答を確認し解説を読む
問題を解く段階で、正解の肢を選んだ理由、根拠を書き留めておくことが重要です。
ただ解答を確認し解説を読むだけではなく、自身が選んだ根拠等が合っているのか、正しく根拠法・その趣旨や判例などを正しく理解し覚えているかを確認していきます。
③該当する部分のテキストを読む
解説をひと通り読み終わったら、テキストの同科目の該当する部分の項目をひと通り読む。
間違えた部分や覚えられていなかった部分にはアンダーラインやチェックを入れる。
そしてテキストに記載されておらず、自身が間違えたり覚えきれない事項があればテキストに転記し情報を一元化する。
これを、同じ科目・分野の問題毎に繰り返すことで自身が苦手な部分をあぶり出すことができます。
なかなか正解できない部分は、繰り返しアンダーライン(マーカーの色を変えてもOKです)を引くことで色が濃くなり、チェック箇所がはっきりとします。
次にテキストを読み返す時に注意深く見ることができます。
このことからも、過去問集は年度別ではなく分野別のものを選ぶ必要があります。
ノートは答えを書くだけじゃない
過去問集にかかるにあたりノートは用意しましょう。
繰り返し解くためには、直接問題集に答えを記入することはできませんので、必須です。
そして、これまでの説明で既にお気づきだとは思いますが、過去問集を解くときは肢にただ○✕を使えるだけではありません。
特に誤りのある肢について、どこが間違っているのかをその都度書き出し、解説を読んで確認する。
この作業が大切になります。
そして、別の記事「【行政書士】40字記述式問題の勉強法|択一過去問を活用!」で紹介している通り
解説を元に記述式のトレーニングを行うのにも有効です。
満点は目指さない
ここまで紹介してきた通り、テキストも過去問集も繰り返しが重要です。
しかし、それはどこまでやったら良いのか?
私は、何度やっても正解できない問題が最後までありました。
すべてを完璧にしようとすると、時間もキャパも私には足りませんでした。
・・・なので、試験勉強の際に心掛けたことは、6割主義です。
おさらいになりますが、行政書士試験は、原則絶対評価制のため、以下の合格基準点を上回れば合格となります。
(1) 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者
(2) 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上である者
(3) 試験全体の得点が、180点以上である者
つまり、試験自体は60%以上正解すれば良いのであって、満点を取る必要はありません。
満点を目指した学習では内容が盛り沢山となり、あまり出ない項目や出るかわからないような項目まで覚えないといけなくなってしまい、大事な部分を落とすことにもなりかねません。
人それぞれではありますが、多くの方は仕事をしながら、学校やアルバイト、家事や育児をしながらの勉強だと思います。
全てを熟すには時間がいくら有っても足りなくなってしますので、ある程度絞った学習が必要になるということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで、私が行政書士試験合格のために行ってきた5肢択一式対策の学習法について紹介してきました。
テキストも過去問集も繰り返しが必要ですが、そのやり方も人により違いがあると思います。
ただ、闇雲に繰り返すのではなく、どのような方法が如何に効率よく記憶に定着させることができるか、考え、実践する必要があります。
ここで紹介してきた内容が全ての方に合っているとは限りませんが、今学習方法に迷っている方、これから始めようという方々の少しでも助けになれば幸いです。