こんにちは、当サイトの管理人のトミーです。
この記事では、私が実際に受けた製図試験で使用した製図道具を紹介します。
建築士の試験は、受験資格があるので基本的には製図の学習経験者がほとんどだとは思います。
ただ、私は一応受験資格はあったのですが、実際に学校で建築製図の勉強はしたことがありませんでした。
周りの二級建築士が受験したのは15年以上前で、得られる情報は乏しい・・・・
更に、独学のため受験仲間もおらず誰かに教えてもらうことなく試験の案内やインターネットの情報を駆使して準備を進めました。
・使いやすい平行定規は?
・シャーペンは違いがあるのか?芯の太さは?
・使いやすい消しゴムは?
・試験に持ち込めるペン立ては?
他にも、三角定規、勾配定規、テンプレートに字消し板などなど・・・・・
これらのように道具の準備を始めるにあたり、「どんな道具が良いのだろうか?」多くの「?(ハテナ)」がありました。
ここでは、それらの道具の選定に迷いがある方に私自身が合格の時に使ってみて良かった、使いやすかったものを一通り紹介させていただきます。
設計製図の試験に必ず携行するものとできるもの
まずは、どのような製図道具が持ち込み可能なのか?試験中に使用できなものは?
まずは公表されている項目をしっかりと確認しましょう。
受験要領には以下のように書かれています。
必ず携行するもの
受験票、黒鉛筆(HBまたはB程度、シャープペンシルを含む。)、消しゴム
携行できるもの
製図板、[45cm×60cm程度とし、傾斜用の軽易なまくらの使用は可とする。ただし、使用に際して製図板の傾斜角度は30度以下とする。]、T定規(60cm程度)、平行定規、その他の定規(直定規、三角定規、勾配定規、雲形定規)、円・だ円・正三角形・正方形及び文字用の型板(テンプレート)、三角スケール、分度器、コンパス、ディバイダー、ハケ、画びょう、製図用テープ、しんホルダー、鉛筆ケズリ、消し板(テンプレートとしての使用は不可)、計算尺、電卓(加減乗除、ルート、メモリー、%機能、関数機能を限度とし、プログラム機能を有せず、小型で音のしないもの)、問題チェック用の蛍光ペン・色鉛筆(解答するに当たり、蛍光ペン・色鉛筆で作図しないで下さい。)、滑り止めマット(他の受験者の妨げになるものは不可)、時計又はストップウォッチ(小型で時計機能のみのものに限る、アラーム等音の機能の仕様は不可)
さらに、R5年の受験要領では、持ち込める平行定規、型板(テンプレート)及び電卓についても詳細を規定しています。
必ず目を通すようにしましょう。
携行できないもの
そしてもう一つ大事な記載は、この「携行できないもの」になります。
ドラフター、問題用紙つり器具、認められる図形及び文字用以外の型板(テンプレート)、点線・破線等を引くことができる型板(点線スケール)、ソロバン、メモ用紙、トレーシングペーパー、電動消しゴム、筆記用具等収納ケース
その他上記①、②以外のもの
※上記②の定規やテンプレート、三角スケールに目印としてマークしたもの、シールを貼ったものの使用は認めません。
(注)試験場への飲物の持ち込みについては、ペットボトル等のふた付きのものに限り認めます。また、試験室内での耳栓の使用は認めません。
なお、私の受験したH31年(R1年)の受験要領には「筆記用具等収納ケース」の明記はなく、R5年の要領を見ると、このR5年から新たに制限されることになったものがあるので、十分に注意してください。
私が本試験で使用した製図道具
「携行できるもの」は多くありますが、実際に全てを持っていく必要はありませし、使うこともありません。
普段から使っているものがあればそれでも良いですし、使い慣れているものがあればそれに越したことはありません。
これから揃えるという方は、少しでも早く使うものを決めて、本試験までに使い慣れるようにするのが良いでしょう。
また、使い慣れるぐらいトレースをしないと受かることもできない・・・・かも知れませんね。
それでは、まずは私の使用した道具を一覧で紹介します。
本試験で使用したもの
・シャープペンシル(シャーペン)
・消しゴム
・平行定規
・三角定規
・勾配定規
・テンプレート
・ハケ
・消し板
・製図用テープ
・電卓
・蛍光ペン
・腕時計
・ハンドタオル
・ペットボトルのお茶
・ペン、道具ケース(R5年度試験より禁止)
試験に使用しなかったもの
・三角スケール
これらが一通りになりますが、シャープペンシルや消しゴムなどは予備や用途別に複数用意していたものもあります。
次にこれら、複数用意したものや、どのメーカーの物が良いかなど、実際に私自身が試して良いと感じたものや選んだ理由などの詳細も含め紹介していきます。
製図道具の選定内容について
簡単ですが、順番に説明していきます。
シャープペンシル(シャーペン)
私が使用したのは、
になります。
試験当日は、予備含め0.5mmを2本、0.7mmと0.9mmを1本の計4本ほどを持ち込みました。
しかし、基本的に使用したのは0.5mm一本になります。
あれこれ持ち替えるのは結局時間のロスになります。
これは、製図試験を意識して学科試験の前から使い始めたものになります。
以前から仕事で使っているものや昔使っていたもの、評判の良いものを何本か購入して試した中から選定しました。
シャープペンシルは、製図試験のみならずその前の学科試験でもかなり長い時間使い続けることになるため、書きやすいことはモチロン疲れにくいものである必要もあります。
ちなみに、学科試験のマークシートには0.9mmを使用しました。
ちなみに、芯ついても色々と試しましたが、「B」で十分だと思います。
筆圧が「特別弱い!」という方は「2B」でもよいかもしれませんが、通常であれば「B」で十分です。
「2B」も試しましたが、こすれて周りが黒くなってしまうことがあり図面全体が汚れて見えてしまうので、試験では「B」を使用しました。
消しゴム
私が使用した消しゴムは、
になります。
2種類3個ほどを持ち込みました。
細かいところを消す用には、先述の「MONO zero ホルダー消しゴム」と同じシリーズの「Φ2.3mm」のものもあります。
個人的には、細すぎて力が入りにくく「2.5×5mm」の方が良いと感じていて、実際の試験でもこちらを使用しました。
平行定規
私が購入し、使用した平行定規は、
でした。
平行定規は、建築士試験対応のものを選ぶことは当然ですが、私の購入したムトーの他主要どころのものやその他の製図道具とセット販売されているものなどもあります。
おそらく、それらのどれも使い勝手は大きく変わらいと思いますが、私が最終的に決めたのは次の3点の理由でした。
高価なものでいくつかを購入して試すことは難しいので、次の3点を基準に選びました。
①価格
②付属の専用キャリングケース
③色
先ずは価格です。持ち運び用のケースと合わせたセット価格などをネットで検索して選びました。
私の住んでいる田舎では、全ての平行定規が揃っているところはありませんからね。
次にセットにこだわった付属のケースです。
私は試験会場まで電車等で移動することになるのですが、心配性の私としては途中でぶつけたりして壊れては・・・・と考えました。つまり、試験に持っていく際に少しでも安全に持ち運べることです。
そこで、付属の専用キャリングケースがハードタイプのムトー ライナーボードを選びました。
他メーカーもハードタイプのケースのセットなどはあるようでしたが、その場合はやや価格が上がってしまったり、別売りだったりして、結果購入時点ではムトー ライナーボードが比較的安価でした。
そしてもう一点は、見た目・・・・他のメーカーはシルバーの中、ムトー ライナーボードは平行定規とフレームが黒く格好良い!なんか出来る人に見えそう(私の勝手な偏見ですが)な感じがしたので!
やはり道具の見た目は重要ですよね!
ムトー | コクヨ | ステッドラー | マックス | ドラパス |
ライナーボード UM-06N8 | トレイザー TR-HHEF11 | マルスライナー 960 | MP-400FL2 軽量タイプ | ドラパスボード DXM-601(PN) |
専用キャリングケース ハードタイプ | 別売 | ソフトケース付 | キャリングバック付 (ソフトタイプ) | ソフトケース付 (ポートフォリオバック付) |
3.1kg | 3.4kg | 4.5kg | 2.8kg | 3.0kg |
なお、平行定規にはボードが別売りのものやマグネットボードになっていないものなどもありますので、ご注意下さい。
三角定規
三角定規は、
を使用しまいた。
三角定規はいくつかのサイズがありますので、使用するサイズを選ぶ必要があります。
最初は学生時代に使っていた「30cm」のものを使用していましたが、大きすぎて使い勝手があまり良くありませんでした。
そこでこの「18cm」のものにすることで、作図効率も良くなった気がします!!
大きいと作図時の取り扱いが難しく、小さいと必要な線の長さが一度に引けないこともあるといけないので、このシリーズなら「18cm」が妥当でしょう。
もしくは、別のシリーズやメーカーのもので「20cm」程度のものがあればそれでも良いでしょう。
勾配定規
勾配定規は学生時代の使用していたものをそのまま使いました。
25年以上前のものでも問題なく使用することができましたが、現在は販売終了しているようです。
勾配定規は、どのメーカーのものでも使い勝手は変わらないと思います。
ただ、勾配定規もサイズについては数種類あるため選ぶ必要がありますが、上記に挙げたものと同じ「20cm」程度のもので問題ないと思います。
三角定規と勾配定規のどちらも小さいと線が引ききれず効率が悪く、大きいと取り扱いや持ち運びに不便を感じますので、それぞれ上記に挙げたサイズのものがおすすめです。
テンプレート
建築士受験用と謳っているだけあって持ち込み可能な基本形「円・だ円・正三角形・正方形」の入ったものになります。
外周には1/100、1/200及び1/400の目盛りがあるので、これがあれば三角スケールは必要ありません。
ただ、一つ希望を言うとすれば、正四角形の20mmがあればより”良”でした。
ハケ・消し板・製図用テープ
ハケは最初、ウチダ(UCHIDA)製のものを購入しましたが、持ち運びのことも考え使い勝手がよくコンパクトなドラパス(DRAPAS)のものにしました。
消し板は学生時代に使用していたものになります。
これは各メーカー出ていますので、どれを選んでも大きな違いはありません。
高価なものではないので念のため持っておくと良いでしょう。
製図用テープは「Scotch ドラフティングテープ」になります。
電卓
私の使用した電卓は、
になります。
電卓は試験会場には、メインと予備の2つを持ち込みました。
極度の心配性なので、もしメインが壊れても予備で対応できるようにですが、そこまで心配すことはないかも知れません。
そもそも、この電卓は試験のために購入した新しいもので、今どきの電卓は簡単には壊れたりしないと思いますので・・・・
電卓は、試験中の使用頻度はそれほどありませんが、押し間違い度を防ぐためにある程度の大きさのものを準備すると良いです。
予備で用意したものは、初めは携行性重視でやや小さめのものをメインとして購入したのですが、他のビジネス用電卓などと比較して使い勝手から予備に格下げになりました。
学生の頃はプログラム付きのものを持っていましたが、これは試験に持ち込むことができません。
プログラム付きやカナ、アルファベット入力のできるものは持ち込めないので、必ず、公表されている内容は確認しましょう。
蛍光ペン
問題文のチェックのため5種類の色を用意しましました。
色の区分けは、ご自身が覚えやすく見やすいようにしていただければ良いと思いますが、念のため私の区分けを記載しておきます。
あまり多く分けすぎても訳が分からなくなるので、色分けは3〜5色が良いと思います。
腕時計・ハンドタオル・ペットボトルのお茶
腕時計は普段使われているもので問と思いますが、私はアナログタイプが好きで、資格試験の際には必ず持っていくものがあります。
これは特に記載されていませんが、私が受験した際には机の上に出しておくことができました。
ただし、試験開始前に全ての持込希望者のタオル等は広げて確認をしていくので、柄のない無地のものが良いでしょう。
ペットボトルのお茶については、ラベルを剥がす必要はありませんが、袋などには入れないようにしましょう。
私の受験時には試験開始前に袋から出すように指示がありました。
ペン、道具ケース(R5年度試験より禁止)
残念ながらR5年度の試験より持ち込みが禁止されてい待ったようです。
私の受験時には一つだけ机の上に筆記用具等収納ケースを置くことができました。
私は、このようなミニ折りコン(折り畳みコンテナボックス)にペン立てを入れて使いました。
折りコンなので持ち運びもしやすく良かったのですが・・・・
当時、会場を見ていると「例4」のような書類ケースを使っている方が非常に多い印象でした。
なお、「例1」の縦型のペンケース兼用ペン立ては私の受験時にも禁止されていました。
このタイプを使用していた人は試験開始前に仕舞うように指示されていました。
まとめ
ここまで、私が実際に合格したときに使用した製図用具を紹介させていただきました。
万人の方に適したものでないことは言うまでもありませんが、少しでも皆様に合った、使いやすい製図道具を見つけていただく助けになれば幸いです。
二級建築士の製図試験は、5時間に及ぶ長丁場です。
また、それまでの練習についてもひたすら線を引き続ける毎日・・・・
知識はモチロンですが、かなりの体力勝負でもあります。
私は試験勉強半ばで脇腹を痛めるというおじさん特有(?)のトラブルに見舞われ大変な思いをしました。
やはり、自分にあった道具を使うのも長く続けるためには必要なことだと思います。
道具に迷っている皆様、これから製図道具を揃えようと考えている方々に、少しでもご自身の使いやすい道具を見つけていただき、合格への助けにしていただけると幸いです。